【有馬記念・清水久調教師手記】「ブラックには感謝しかない」

 第62回有馬記念・G1が24日、中山競馬場で行われ、1番人気のキタサンブラックが逃げ切って優勝。1着賞金3億円(プラス付加賞)を加え、総獲得賞金はテイエムオペラオーを抜き、歴代1位となった。キタサンブラックを管理した清水久詞調教師(45)がスポーツ報知に有終Vの喜びを手記として寄せた。

 やってくれました! ジャパンCで悔しい思いをしていたので、最後に勲章を加えられて本当に良かった。しっかり調整はできたと、思っていましたから。北島三郎オーナー、ユタカさん、そしてブラックに少し恩返しできたかなと思います。

 最後の直線で何と叫んだか…、覚えていません。ファン投票で4回連続1位に選んでいただいたのに、なぜかグランプリ(有馬記念、宝塚記念)だけは、勝てませんでした。やっと期待に応えられてホッとしています。

 これだけの馬を管理することは、なかなかできない。すべてが楽しく、そしてつらくもありました。重圧はありました。昨年、年度代表馬に選出されてからは、特に。家に帰って大好きな焼酎を飲む間も、頭からブラックのことが離れませんでした。でも、しんどい思いをしないとえられないものがあるし、成し遂げた時の達成感も大きい。助手時代の貴重な経験を思い出します。

 僕が97年7月に栗東トレセンに入り、最初に担当した未出走馬と入れ替わりでやってきたのがファレノプシスです。420キロほどの小柄な牝馬。カイバをあまり食べず、体質が弱かった。今では考えられないけど、引退までの約3年半、一度も放牧に出なかった。つきっきりです。

 今なら少し違和感があると、すぐに放牧。当時は違いました。少しモヤッとするくらいでは「レースに使うから何とかしろよ」と指示はそれだけ。何とかするしかない。毎日朝見て、昼から見て、夜も考えて。まさに、四六時中です。

 僕が厩舎の入り口に入ると、反対側の遠くの馬房から鳴き声がする。気配で分かるんでしょう。まあ、あれだけ一緒にいればね。苦しかったけど、引退レースのエリザベス女王杯(00年)を含めG1を3つも勝ってくれました。あの経験があったから、今があります。

 帰り際、競馬場の前に飾られたクリスマスツリーのイルミネーションを見て、思い出しました。ファレノプシスの99年(8着)も、厩舎地区からバイクに乗って見に来たなって。18年後にこんな最高の気持ちで、見られるとは思っていなかったですね。

 ファレノプシスからもらった財産が、ブラックにつながった。そして、この経験がまた次につながると思います。寂しさは、少しどころか大いにあります。早く、子どもを手がけたいですね。ブラックには感謝しかないし、僕は幸せ者です。

 「ありがとう」

 このひと言につきます。(JRA調教師)

 ◆清水 久詞(しみず・ひさし)1972年7月4日、大阪府生まれ。45歳。滋賀・栗東のカルストン牧場で経験を積み、97年1月にJRA競馬学校厩務員過程に入学。卒業後の同7月から栗東・浜田光正厩舎の厩務員となる。調教厩務員、調教助手を経て、09年に調教師免許を取得。24日現在、JRA通算181勝。重賞はキタサンブラックのG1・7勝を含む17勝。


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